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2023.03.01
◇ 作家紹介 ◇ 前田昭博
前田昭博(まえだあきひろ)
1954年 鳥取県に生まれる。
1977年 大阪芸術大学工芸学科陶芸専攻を卒業する。
2013年 「白磁」の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。
前田昭博は鳥取県鳥取市生まれ。大学では陶芸を専攻し、陶芸家になろうというのではなく、漠然と美術の仕事につきたいと選んだ大学だった。あるとき、講師の白磁の制作現場を見て衝撃を受ける。生まれ育った山陰の雪景色のような、絵が描かれているわけでもないのに堂々とした存在感を放つ白磁に強い憧れを抱くようになる。
大学卒業後、実家のある鳥取に戻り窯を開くが、すべて独学であり失敗ばかりが続く失敗と修正を重ねながらも年に1回は個展を開き、陶芸や工芸のコンクールに出すことを自分に課し、大学を卒業して14年目の36歳のときに、第11回日本陶芸展で大賞に次ぐ優秀賞を獲得する。
自らの作品を「白磁」ではなく「白瓷」と表す。瓷は本来、土を焼いて作る陶器に当てる文字で、陶器のような温もりのある磁器を作りたいという思いを籠めて瓷を使っている。
柔らかい丸みを持った地肌に面取りを施した作品は、光と影による陰影が美しく現代感覚にあふれ、ふくよかで温かみのある表現がなされて、あたりの空気をふっと和ませるようなやさしさに満ちている。
前田昭博は、色や模様を控えた白だけの世界で「形を見てほしい。そして、形の中で楽しんでいただく、それが白瓷です。作品を心で感じ、会話をしてほしい。」と語っている。
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