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2023.03.11
◇ 作家紹介 ◇ 太田儔
太田儔(おおたひとし)
1931年 岡山県に生まれる。
1953年 磯井如真に師事する。
1994年 「蒟醤」の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。
太田儔は岡山市に生まれ、岡山大学教育学部美術科に在学中、のちに人間国宝となる磯井如眞に指導を受け、11年間内弟子となり漆工芸を学びます。
竹を編んだ籠状の素地・籃胎(らんたい)に漆を塗り重ね、その漆面に蒟醬剣で文様を彫り、色漆を埋めて研ぎだすという「籃胎蒟醤(らんたいきんま)」を研究し、竹は物差しに使われるように,温度,湿度の変化による狂いが少なく、漆の素地に最も適していることを知り、独自に考案したのが,内側を塗りヒゴで編み,さらに麻の畳糸を巻きつけて,漆をしみ込ませ,その外側に網代を編んで二重に重ねる「二重編みの藍胎」でした。
また蒟醬の彫りの研究にも取り組み、「布目彫り蒟醬」を創案します。布目彫り蒟醬は,1ミリの中に3,4本の細い線を線彫りし,図案にもとづいて筆で色を埋め,これを縦,横,斜めと緻密にくり返す技法で,色彩を重ねることで,絵画のように自由で微細な色の表現を可能にしました。
太田儔は、二重編みの籃胎により堅牢な素地を正確に成形することに成功し、布目彫り蒟醬を創案することで,より緻密な陰影や立体感の表現を可能にし,漆芸の伝統を受け継ぐとともに蒟醬の絵画的領域を深めました。
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