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2023.03.25
◇ 作家紹介 ◇ 増村 紀一郎
増村 紀一郎(ますむらきいちろう)
1941年 東京都に生まれる。
1967年 東京藝術大学美術学部工芸科を卒業する。
1969年 東京藝術大学大学院美術研究科漆芸専攻を修了する。
1997年 東京藝術大学美術学部教授に就任する。
1998年 宮内庁・正倉院宝物漆皮御袈裟箱を復元制作する。
2008年 「髹漆」の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。
増村紀一郎は「髹漆」の人間国宝である増村益城の長男として東京都豊島区に生まれる。
増村紀一郎が中学生の頃、家にはいつも芸術家たちが遊びに来ていた。住まいのあった東京の西武池袋線椎名町駅近くには、「パルテノン」と呼ばれるアトリエ付きの住宅が20軒ほど立ち並び、画家や彫刻家たちが多く暮らしており、近所には熊谷守一の家もあった。彼らには藝大出身者が多かったことから、自然と藝大進学を目指すようになる。
東京藝術大学美術学部工芸科を卒業し、大学院美術研究科漆芸専攻を修了する。松田権六や磯矢陽、六角大壌らに各種技法を学び、父・増村益城にも乾漆や髹漆の指導を受けた。
「髹漆 」とは最も古くからある漆芸技法であり、素地の材料を選ぶことから始まり、下地工程を経て、上塗・仕上げ工程に至る幅広い領域にわたり、漆芸の根幹をなす重要な技法であり、下地を選ばない。素地の材料には木材、竹、布、和紙、革等さまざまあり、材質の質感を生かした作品を作ることが可能である。
麻を漆で塗り何枚も重ねて風合いを出す「乾漆」や、縄を器の形に巻いて漆で塗り固める「縄胎」、動物の皮に漆を塗った「漆皮」という珍しい技法もある。
増村紀一郎は、そういった様々な素地造形の技法を使いこなし、自由な発想で形づくられるバラエティーに富んだ作品を作り上げる。乾漆の素地に朱や黒、ぼかし塗りの呂色仕上げを主にして、花や葉、自然物を大胆に抽象化した造形美を表し、漆皮や縄胎の創作も手掛ける。
一見すると何の素材かわからない、しかし、とても美しいこの世にたった一つの作品である。
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