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2023.02.16

◇ 作家紹介 ◇ 五代 伊藤赤水

 

五代 伊藤赤水(いとうせきすい)

 

1941年 新潟県に生まれる。

1976年 五代赤水を襲名する。

2003年 「無名異焼」で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。

 

 

佐渡島は海底火山の噴火によってできた島で、この島の金山では鉄分を多く含んだ赤土が豊富に採れました。この赤色粘土を「無名異土」と呼びます。

伊藤家の始祖である伊兵衛が、加賀より佐渡に渡ったのは1640年頃。二代目の甚兵衛が窯を築き、金の精錬過程などで使われる道具や素焼きの日常品を作る仕事を始めます。代を重ねるごとに茶わんや皿などを焼くようになり、佐渡金山で無名異土が発見されると、それを陶土に混ぜた楽焼を作ります。1873年に九代目の富太郎が1200度の高温焼成に成功し、現在の赤が鮮やかな無名異焼を確立しました。明治初頭から「赤水」と号するようになり、現在五代まで継承されています。

 

五代伊藤赤水は四代赤水の長男として生まれ、大学卒業後、三代である祖父に師事し無名異焼の技術を学ぶ。

当代以前は、中国の朱泥を目標としており、「いかに美しい赤色を出すか」が価値基準とされていました。しかし、酸化鉄を豊富に含む無名異は、炎の当たった部分が黒く変色する「窯変」が起きてしまう。それは従来、失敗と考えられてきました。ところが、当代は「あえて黒く変色させることで、より無名異の赤を魅力的に見せられる」と考え、釉薬を使わずに焼き締める方法で、赤と黒のコントラストが印象的な五代赤水独特の作品を誕生させました。

 

また、異なる色の土を練り合わせて模様を作る表現手法「練上」に挑戦します。初期の練上は、線をベースにしたシンプルな文様でしたが、現在は土を重ねて巻きずしのようなものを作り、輪切りにした断面を並べて、花や魚、鳥といった模様をあしらった作品へと昇華させています。

 

従来の「朱泥」一色であった無名異焼に、「窯変」を伴うものと「練上げ」という技法を用いて、独特な縞模様や花紋など色彩豊かな文様をあしらい新たな無名異焼を生み出しました。

 

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