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2023.03.30
◇ 作家紹介 ◇ 桂盛仁
桂盛仁(かつらもりひと)
1944年 東京都に生まれる。
1968年 武蔵野美術短期大学を卒業する。
1992年 伊勢神宮遷宮御神宝を制作する。
2008年 「彫金」の重要無形文化財保持者に認定される。
桂盛仁は東京都文京区に生まれ、父・桂盛行と大伯父・桂光春が彫金家という家系で育ちます。小さい頃から父の仕事姿をみて、家業を継ぐべく、父に師事し伝統的な技術や基礎を学びます。
足利尊氏の側近のお抱え彫金師を祖とする柳川派の流れを汲み、明治・大正・昭和期にかけて、煙草入れなど装身具の彫金で大人気を博した二代豊川光長、その一番弟子である桂光春を輩出した流派で、伯父である光春を継いだのが盛仁の父、桂盛行となります。
大学卒業後、制作活動を開始し、装身具として使用される精巧な小金具の制作をしながら、柳川派12代目として技術の伝承に努めつつ、新しい創造を求め自己研鑽を重ねます。数多くの受賞歴や展覧会の開催など彫金家として功績を残し、1992年と2008年に伊勢神宮にある御装束神宝の制作に携わるという大役を成し遂げます。
桂盛仁の作品の特徴のひとつが、打ち出し(=金属を裏から叩き、立体的に表す技法)である。そして、その高さが誰も真似ができないほど高く、この上なく繊細なふくらみを見せている。銀と銅の合金である四分一という金属は非常に硬く、延ばしにくいうえ、熱にもろく溶けやすいことから、これほど繊細な細工を高く伸ばすことは至難の技なのだ。その一枚板の打ち出しで、動物たちを生き生きと表現するなどということは、桂盛仁にしかできない超絶技巧なのである。
昨今、明治期の卓越した工芸作品を“超絶技巧”と称し、ロストテクノロジーとしての評価がなされてきていますが、そうした工芸の技術が脈々と受け継がれてきていることは、桂盛仁の金工を見ると明らかである。
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